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アメノオト

人形の福祉屋の日々

SFAと電話相談の可能性

SFAの勉強に行ってきて、初めてしっかりその技法の哲学的な所を教わって来た。

SFAとは解決志向アプローチと訳され、対義語は、問題志向アプローチ。

通常の生活においては問題志向アプローチで思考することが多い。

「問題はとある原因から起きているので、その原因を除去して行こう」という考え方。

解決志向アプローチは、原因の除去ではなくその問題の解決方法を伸ばして行く考え方。 問題を抱えている中、たまに起こる「例外」(問題が起きない時、上手く行っている時)を抽出して、それを分析し、例外が起こる頻度を増やしていく。例外が日常になれば自然と問題が解決するというやり方。

 

これの利点は「会話が成り立つ場所ならば、どこでも出来る」という所。

面接室のようにかっちり構造化しなくても、日常のひとコマ(5分、10分)でも可能という所。

SFAの基本構造は質問で成り立っている。

その人のことはその人自身が専門家であり、支援者はインタビューの専門家としてあればよく、その人の力を引き出せばいいのだ、と。

 

問題が解決したら、今とどのように生活が変わるのか?どんなふうになるのか?

今の生活の中でその状況にちょっと近いかも…?って時はあるか?

それはどんな時か?

それはいつもとどう違っているのか?

…というふうに、問題の中にあるいつもと違う例外(よかったこと)を探して、それを増やしていくのが基本構造。

それがあると、普段とどう違うのか?何故そうなのか?というふうに訊いて行く。

どうやって、生き延びてきたのか?どうやって凌いできたのか?どうしてそれは可能だったのか?

ワークもやってみたけど、結構考えさせられた。

いつも自分は変化してないと思っていたけど結構変化してたからだ。

 

「変化しないことは通常の生活では有り得ない」

「変化しないことにクライエントは困って支援者の所に来る」

変化を促し、良き変化をふやしていく技法であり、その人のリソースに目を向ける技法。

 

これ、電話相談と結構相性が良いんじゃないのかな、と感じた。

電話相談では割と不毛なやり取りが展開する。

「何かアドバイスください」「どうしたらいいですか」と。

こういう問いが来た時に、「××してみては?」などと提案しても事態は悪化するばかり。 「そんなのもうやってます!」 「専門家なのにそんなことも言えないの!?」と怒りが飛んでくる。 (えー、訊いてきたのそっちじゃん…)とは思うんだけども、提案すると大体みんなこんな感じ。

 

そこで、「じゃあ、今までこういう時、あなたはどうやって凌いできたんですか?」と訊き返すと、あら、スラスラと武勇伝が語られるじゃないか。

「…ほうほう。それは上手いですね。、じゃあ、そのやり方、今回も使えるんじゃないんですか?」と返すと、大体それでキレイに電話が終わる。

皆、自分のやり方があるんだよね。それを見つけてフィードバックして強化してやれば良いのだ。

…というのが、電話相談の技法としてあったのだけど、これってまんまSFAじゃん!と言う話。 今日はそこがすっかりつながって、「ああ、この背景はこういう理屈だったんだ」と合点。 これをもう少し体系的にやれれば、構造が弱い(継続性がない)電話相談の枠内でも十分そのクライエントの力を引き出せるかもしれないなあと思ったのだ。もう少しブラッシュアップしていって、電話相談のスキルにどう組み合わせるかってのは色々考えると面白そう。

相談員の養成に関してもかなり短期間で底上げが可能な感じがする。心理と福祉の知識を大量に入れ込むのはかなり時間コストがかかるからだ。これだったら、相手の力を引き出すことが中心なので心理、福祉、医療、法律…と広範囲の知識が少ない相談員でもそれなり形に仕上がる可能性は高い。

そんな訳で、自分でもう少し勉強したら、電話相談の場で、試験的に導入してみようと思っている。幸いそういうことができるフィールドはいくつもあるし、これは楽しみだなあ、と今からワクワクしている。

 

(※勿論、電話相談のクライエントには結構捻じれている人も居るのでこれを使うとより逆上するタイプの人も存在する。「そうやっこっちから引き出そうなんて、お前は何も知らないんだろ?」みたいな批判に発展する場合もある。そのタイプの人はちなみに知識を展開しても怒るし、相手の力を引き出そうとしても怒るし、黙っても怒るし、怒ることがデフォルトの人だったりする。それはそういうコミュニケーションの方法なので普通に怒られつつ、糸口を見つけて行くことになる)