『中高生のためのメンタル系サバイバルガイド』
一時期盛り上がってた時にちゃんと買っておいたんだけど、記事にするの遅れちゃった。
松本俊彦先生編、ということで思春期の子ども達に対し愛ある内容が詰まっている。
これを思春期の子が読んで理解できるかどうかはともかく(理解できる子は出来るだろう)、一応、そのようなコンセプトで書かれているので比較的わかりやすく書かれている。
ということは、この業種ではない人にもとてもわかりやすいということで、是非領域外の人に読んでほしい一冊ではなかろうか。
で、これは学校に置いておくととても効果的と思う。流石にクラスとかには置いておけないだろうから、こっそりひとりで読めるような場所にあると尚良い。 行政機関や相談機関とかにも置いてあると良いのかもしれない。
精神科の待合には無い方が良いな(精神科の待合には逆にそういう本は無い方が良い)。
内容はホントさまざまで、執筆陣も豪華だった。 カテゴリ分けされている。 「毎日のくらし」、「恋愛と性」、「くすり」、「やめられない、とまらない」、「いのち」、「わるいこと」、「親のこと」に分かれている。
ほぼ、思春期の子供が詰まりそうな、かつ人に訊けなそうなことが載っている。
性の話だとか、くすりや自傷などはあるあるな話だと思ったけど、興味深かったのは「親のこと」というカテゴリ。 親の暴力だけじゃなくて、親が精神疾患、親が依存症というそういうトピックもある。これは時代だなあと思った。親が精神疾患、っていうのはもうありふれているんだなあと。
でも仕事してたら確かにそうだと思う。殆どそう。延々サバイバルしないといけない子供が生み出されているんだなと思う。
個人的にお気に入りの記事は小林桜児先生の大麻についての記事。診察風景っぽく作ってあって割と凝ってるなあと。面白いなあと思いました。他の記事もとても面白いし総論的に当たるにはとても良いと思う。広範囲にカバーしないといけないような電話相談などにも向くのかも。
松本先生のありがたいお言葉を最後に引用 「たしかにすべての大人が信頼できるとは思わないが、三人に一人は信頼できる大人がいる」
これは、思春期の子供に限らなくて、一般的なクライエントにも言えることだと思う。 諦めずに三人にはあたってみよう、というそのあり方は大切だと思う。 (3人あたって外れた人でもまだ頑張ろう、と松本先生は言っている。10人中3人がアタリだから、3人がハズレならアタリは残り7人の中にいるから、当たりやすくなっている、と)